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掟 其の二十五 「 新歓コンパの仕切り 中編 」 |
二年目幹事君は多いに悩む。とりあえず本部長最優先で、後の上司の要望は一つづつ取り入れるということで、方針を固めた。
まず日程は「来週の水曜」でfixされた。幹事君は次長に速攻謝罪。続いてエリアだが、日比谷線、東京駅、神田、新宿とみんなから口々に勝手なことを言われた幹事君はさながら西村京太郎サスペンス「L特急踊り子号殺人事件」に取り組む十津川警部の気分だ。「10時26分に湯河原駅で下りた容疑者は事前に止めてあった赤いオープンカーに飛び乗り、錦ヶ浦へは12分。そこで被害者を殺し、今度は伊東線に乗り込み、何食わぬ顔で踊り子の指定席に戻ってくるという寸法です。隣にいた亀井君は長いトイレだろうぐらいに思ってしまったそうです。タハーッ!」って感じ。とにかく幹事君は十津川のようにごにょごにょ考えるのはサックリやめて、半ば強引に、「職場の近く」ということで大手町に決めてしまいました。しかし、若干東京駅寄りの大手町2丁目にしたあたりが幹事君のひよりを感じ取れることができ、少し微笑ましいです。ひとまず幹事君は大手町のオシャレ居酒屋に決定しました。ここなら神田の「こっこちゃん」も徒歩7〜8分で許容範囲のハズ。
さて、次にお料理のコースとお酒の準備です。焼酎の大好きな本部長、一滴もお酒が飲めない統括部長、酒癖の悪い次長、幹事君の頭を色んな記憶がよぎります。そして、そんな幹事君が必ず思い出す悲しい記憶がニャッポロビール事件です。
幹事君の会社は食品メーカー。食品メーカーが原料(小麦とか大豆とかコーン)を加工する際に出てくる原料カスは、実はビールメーカーにとてもいい値で売ることができます。つまりビールメーカーは上客なのです。特にニャッポロビールと当社は30年来のお付き合いで大の仲良しこよし。でも若干23歳の幹事君にそんな高度な企業閥を理解しろというのが無理な話。夏の納会コンパの時、シューパードリャイを手配した幹事君は課長にボコボコにされたのでした。今回はニャッポロを確実に注文。また一歩、企業戦士に近づく幹事君なのでした。 つづく・・
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| 掟
其の二十六 に続く |
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